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紹介予定派遣とは、派遣の開始前または開始後に、派遣元が、派遣労働 者及び派遣先に対して職業紹介することを予定して派遣就業させるという ものです(派遣法第2条第6号)。 紹介予定派遣制度を活用することによって、派遣労働者は、派遣先の仕 事の内容や会社の雰囲気を理解した上で就職することができ、派遣先は労 働者の適性、能力をじっくり見極めた上で、その労働者を直接雇用するか どうかを判断することができるというメリットがあります。 紹介予定派遣の場合は、派遣期間は6ヶ月を超えてはなりません(派遣 元指針第2の12(1)、派遣先指針第2の18(1))。
紹介予定派遣は、労働者派遣を開始する時点で派遣労働者と派遣先の意 思確認をし、同意を得た上で行う場合に限って可能です。また、派遣契約 に当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹 介予定派遣に関する事項を定めるとともに、労働者に対しても明示しなけ ればなりません(派遣法第26条第1項第9号、第34条第1項第2号)。 もし、派遣就業を始めてから、派遣労働者の希望によって新たに紹介予定 派遣とする場合には、三者(派遣元、派遣先、派遣労働者)の合意のも と、従来の労働者派遣契約及び派遣労働契約を終了させ、新たに紹介予定 派遣としての契約を結びなおす必要があります。派遣元は、紹介予定派遣 の対象となる派遣労働者を雇い入れる場合は、その旨を派遣労働者に明示 しなければなりません(派遣法第32条第1項)。また、既に雇い入れてい る派遣労働者を新たに紹介予定派遣の対象とする場合には、その旨を労働 者に明示し、同意を得なければなりません(同条第2項)。
派遣元は、派遣契約が終了するときに、派遣先と派遣労働者に求人・求 職の意思を確認したうえで職業紹介を行います。派遣先が職業紹介を受け ることを希望しないときには、その理由を派遣元に明示したうえで拒否す ることができます。派遣元事業主は、労働者からの求めに応じて、派遣先 から明示された理由を派遣労働者に対して書面等で明示しなければなりま せん(派遣元指針第2の12(2))。
このように、紹介予定派遣で派遣労働契約を結んだ場合であっても、 6ヶ月後に必ず派遣先に直接雇用されるとは限りません。また、派遣先が 派遣労働者を直接雇用する場合であっても、必ずしも正社員として雇用し なければならないというものではなく、例えば3ヶ月間の有期雇用などで もよいことになっています。 ただし、6ヶ月間の労働者派遣の受入れ期間と、3ヶ月程度の直接雇用 期間を繰り返す場合などのように、派遣受入期間の制限を免れる目的で紹 介予定派遣を利用していると考えられるときは、是正指導の対象となる場 合があります。
なお、紹介予定派遣の場合に限って、スムーズに直接雇用へと移行でき るように、派遣就業開始前に派遣先が派遣労働者の面接を行ったり、派遣 元から労働者の履歴書を取り寄せることができます(派遣法第26条第7 項)。また、派遣就業開始前または派遣就業期間中に、求人条件を明示す ることや、派遣就業期間中に採用の内定等を行うことが認められています。